二段になるまで勉強したこと

 アーシェです.

 ふと思い立って将棋(指す将)を初めてみて半年で将棋ウォーズ初段になれたものの,初段から二段に上がるのに1年と3ヶ月かかってしまった.きっと自分にとっては初段が最初のポテンシャルで上がれる限界だったのだと思う.月別の実力を見るとだいぶ苦戦したあとが残っている.

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 そこで私が初段から二段に上がるまでに勉強した・やったことを書き留めた.きっとスランプに陥っている人のうち一人くらいの役には立つでしょう.

 

 まず初段までの自分だが,居飛車党で先手の場合初手▲7六歩,後手の場合△8四歩,つまり相居飛車は角換わり(先後)・横歩取り(先)・矢倉(後),対抗形は基本的に穴熊志向の持久戦を指していた.最初はそれでバンバン勝って初段まで上がったわけだが,それっきりピタっと成長が止まった.そこでまぁなんとかすべく色々やった.

 

 1.指す戦法を見直す

 私は序盤中盤終盤と隙だらけだが,強いて言うならば序盤が好きである.というか序盤で作戦負けするとやる気がなくなるタイプなので,序盤作戦を見直すことにした.ウォーズの過去の対局を遡ってみると,角換わり(後)・横歩取り(先)・矢倉(後)・対角道オープン四間飛車(先後)の勝率があまりよくない.特に後手番の対角道オープン四間の勝率が3割くらいしかなかったので,これをどうにかするしかなかった.そこで思い切って,先手番で初手▲2六歩△3四歩に▲2五歩と指すようにした.これで後手は一度△3三角を指す必要があるので角道オープン振り飛車にされることはだいぶ減った.そして序盤は自分の知っている形に誘導する方が得だと思い,一手損角換わりを指すようにした.結果相居飛車の戦型が,相掛かり(先後)・角換わり(先)・一手損角換わり(後)・矢倉(後)になった(相掛かりを指し始めたのは初手で飛車先を突くようにしたのでせっかくならば,という感じで.ほとんどならない).対振りは主にノーマル振り飛車の相手が多くなった.以下戦型ごとに勉強したことを述べる.

 a.先手角換わり

 先手番で▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲7六歩に△2二銀だとだいたい角換わりになる.と言うか相居飛車で先手番の場合だいたい角換わりになる.▲2五歩を決めていると▲2五桂と跳ねる手や右四間にする含みが消えてるけどまぁ細かいことはいい.勉強としては実戦でよくわからなかったところをソフトに聞いた,あとプロの将棋をよく見た(モバイル中継は角換わりが多くて助かる).本はあまり読んでいないが「ひと目の角換わり」はかなりオススメ.

  b.後手一手損角換わり

 後手番で▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲7八金△3四歩▲2五歩のときに△8八角成と角交換すれば一手損角換わりになる.相居飛車で後手番だとだいたいこれにできる(あくまで初段付近の話だが).一手損角換わりはそんなに人気の戦法ではないので,結構相手が対策を知らないことが多い.相手が棒銀にしてくれば通常の角換わりの感覚で対応すればよいし,腰掛け銀にしてくればこのあと紹介する本を参考にして指せばよい.そして早繰り銀だが,まぁなんとかしよう().とにかく自分の知っている形に誘う!本当は後手が一回飛車先を突いてから角交換するのは損な指し方なのだが,まぁアマ初段程度では関係ない話だろう().棋書は主に「現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~」を参考にした.あとは実戦とソフトを参考に頭に叩き込んだ.

 c.後手矢倉

 後手番で▲7六歩△8四歩に▲6八銀だと一手損角換わりではなく矢倉になる.後手矢倉でも自分の知っている形にするのが重要で,当然急戦矢倉にする.そこで米長流急戦矢倉を指すことにした.プロ的にはあまりよくない指し方かもしれないが,アマ初段なら関係ない,とにかく自分が指しなれていればよい.「藤森流急戦矢倉」がかなり良い本で,これに載っていることが一通りできればかなり勝てる.

 d.相掛かり

 これはやらない方がいい().なぜならだいたい力戦になって知っている形には誘導できない.気分転換にはよかった.

  e.対ノーマル四間(三間)

 「四間飛車破り【居飛車穴熊編】」これがとっても良い本でこの通りに指せばだいたい序盤で良くなる.ただ相手の△6四歩がやたら早いときにはしっかりと急戦で咎める姿勢は必要だと思う.△6四歩が早い相手に対して穴熊に組みに行くとシステム調でやってこられて結構大変.急戦を学ぶには「四間飛車破り【急戦編】」がオススメ.

 f.対向飛車

 先手で▲2五歩を決める指し方にすると向飛車にされやすいのが欠点.ろくに棋書もないのでApery先生と相談したところ,一直線に穴熊に組みに行くのをオススメされた(▲5六歩など全て省略,右銀も4八で放置).力戦になりやすいのでこれはなんとか頑張る().

 g.対先手中飛車

 いつの日か村山先生が将棋フォーカスで紹介していたが,自分は居合い抜き超速(角道をあけない超速)をやっている.毎回アドリブで対応しているところがあるので本当は「青嶋の結論 対中飛車・居飛車穴熊必勝ガイド」とか読んだ方がいいかもしれない.(買ったけどまだ読んでない)

 

 長くなったがこんなところである.何回も言うが,自分の知っている形に誘導する!

 

2.中盤力を磨く

 具体的には2つ行った.効果があったのかはわからない.

 a.モバイル中継を見る

 ぶっちゃけると棋譜並べと効果はほとんど変わらないと思う.ただしモバイル中継は棋譜コメが充実しているのでプロの指し手の狙い筋などが理解できる.流し見するのではなくて真剣に見ると結構勉強になると思う.

 b.羽生善治の終盤術を読む

 終盤術なんてタイトルがついているが,結構中盤術についても記載されている.かなーーり勉強になった.順番に拘らないのであれば3から読んだ方がよい(一番簡単だから).あと結構心をえぐられる(読めば意味はわかる).

羽生善治の終盤術(1)攻めをつなぐ本

羽生善治の終盤術(2)基本だけでここまで出来る

羽生善治の終盤術(3)堅さをくずす本

 

 3.終盤力を磨く

 棋書を色々読んだ.まず以下に示す寄せの本3冊,応用編は読まなくてもいいかもしれない.

寄せが見える本〈基礎編〉

寄せが見える本〈応用編〉

寄せの手筋200

  自分は詰め将棋をあまり解かないのだが,5手詰ハンドブックを放置しているのはもったいないと思ったので,1日4題解くようにした.3ヶ月くらいたって7手詰ハンドブックまで到達したが効果がどのくらいあるのかはよくわからない.でも少しはやったほうがいいような気がした.

 

 以上がだいたい自分が二段になるためにやったことで,他に細かいことをあげると,

・艦これをやめた(時間を捻出するため)

・自分はこのままの棋力で終わる人間ではないと思い込む(ポジティブ大事)

・負けてもそんなに落ち込まない(負けた原因を調べて次やらなければいい)

・プロ的には好まれない形とか気にしない(相手はプロじゃない)

・1日1局は指す

こんなところである.長くなってしまったけど誰かの役に立てばいいと思います.質問などあればリプやDMでどうぞ.