指す将順位戦B3一回戦:対ぽてとさん

何か記事に問題があったら教えて下さい. あとこの自戦記はMarkdown記法のテストも兼ねてます.

指す将順位戦に参加したわけ

 私は某総帥と違って爽やか指す将なわけだが,将棋クラスタの人とはたぶん片手で数えられる人数しか対局したことがなく,あんまり棋譜をアップもしていない. このままでは17歳美少女JK爽やか指す将の立場が危ぶまれると思っていたところ,なんとゆーてん兄貴が指す将の順位戦なるものを開催するというではないか! 棋力の近い人を見つけて実際にウォーズや24で対局するっていうのは結構大変なので,間口を広げる意味でも結構良い機会だと思ったので参加してみたわけだ. 事前に対局相手が分かっているので,棋譜を公開している人に対しては対策を講じられるというのも惹かれた理由の1つである.

後手番で相掛かりに

初手からの指し手
▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩
▲7八金△3二金▲2四歩△同歩
▲同飛 △2三歩▲2六飛(第1図)

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 後手番を引いて先手浮き飛車の相掛かりとなった. ぽてとさんは棋譜を探してもあまり見つからず,どうも居飛車党っぽい?という情報のみあって本局に臨んだのだが,苦手な後手番の相掛かりとなってしまった. なんで苦手なのに指しているんだとツッコミを受けそうだが,最近角道をすぐに開けない指し方に凝っているのでチャレンジしているという面はある.

第1図からの指し手
    △7二銀▲1六歩△1四歩
▲3八銀△4二玉▲9六歩△9四歩
▲5八玉△3四歩▲7六歩△6四歩
▲2四歩(第2図)

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 局面が進んで第2図,先手中住まい後手4二玉型(なんとなく)に組んだところで▲2四歩と仕掛けられた. これは横歩を取る狙いなので本譜は△6三銀と6四の歩は守ったのだが,3四の歩は取られて少しつまらない展開にしてしまったと思う. 第2図では△同歩ではなく,△8八角成▲同銀△3五角▲6六飛△2四角(A図)のように,角を手放すが歩損せずに先手の飛車の位置の悪さを主張する指し方はあったと思う.

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実は序盤から必敗だった

第2図からの指し手
    △同歩  ▲同飛△6三銀
▲3四飛△8八角成▲同銀△2二銀
▲2四飛△8六歩 ▲同歩△同飛(第3図)

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実は第3図は必敗の局面である(). 一歩損したから動かないと,と思い飛車先交換したのだが,図から▲7七角と打たれると二枚換えを防ぐ△2三歩は仕方ないが,そこから▲8六角△2四歩と飛車を取り合って▲2四飛(B図)と打たれた局面は変化の一例だが,先手陣に隙がなく先手必勝の局面だろう. 飛車先交換をしたいなら先に△2三歩を打たなくてはならなかったのだが,幸いにも気付かれなかったので助かった.

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なんとか勝負できる形に

第3図からの指し手
▲8七歩△8五飛▲7七桂△8二飛
▲1五歩△2三歩▲2五飛△9五歩
▲8五飛△同飛 ▲同桂 △8二飛
▲8五歩△9八歩▲7七銀△9九歩成
▲3六歩(第4図)

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 ズバっと進めたが,途中△8五飛と途中下車したのは先手に▲7七桂を跳ねさせる狙いで,飛車交換から8二に飛車を打ち直すという辛抱をするハメにはなったが,△9八歩の狙いが実現した(▲同歩には△8九角の金香両取りがあった). 横歩を取られたあたりから後手不利だったが,香車を取れたところで形勢が良くなったのを感じた. 第4図の▲3六歩は右辺の逃げ道を用意した一手だったそうで,ぽてとさんもここでは悪くなったと思っていたそうだ.

 ちなみに▲1五歩を手抜いたのは桂馬を取られて▲3四桂を気にしたからである.

第4図からの指し手
    △5二玉▲8六銀△8三香
▲5六角△7四歩▲3五飛△3三桂
▲3七銀△8九と▲6六歩△4四角
▲3四飛△8五香▲同銀 △同飛
▲4四飛△同歩 ▲5九角(第5図)

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 浮いた8五の桂が取れるかどうかが争点となったが,受けに投入した▲5六角と▲3五飛に正しく対処できて8筋の突破が確実となった. 角も▲5九角と受けに使わせて,第5図ははっきり後手良しの局面である. ここからも正しく指せれば後手勝ちだったのだが……

悪手連発

第5図からの指し手
    △7九と ▲同金△9八飛
▲7八香△8七飛成▲8八歩△9七龍
▲8九金△5五銀 ▲9八金△同龍
▲8二飛△7二金打▲3四角(第6図)

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 ▲8八歩に△9八龍が第一の悪手.ここは△8二龍と引いておけば辛い指し回しで良かったと思う.本譜は△9七龍と寄ったために▲8九金から飛車が取られてしまった.その時の気持ちと言ったらもう

飛車取られたああああああぁぁぁぁっぁぁぁうわああああぁぁぁっぁぁひしゃぁぁぁぁぁ

である. そして▲8二飛に△7二金打と合駒したのが第二の悪手. これは△7二銀と移動合すると▲7四角の王手を気にしたわけだが,それには△6三桂と打っておけばなんでもないし,本譜は▲3四角と王手されていてこっちはうっかりしているわけである. なんと哀れ.

第6図からの指し手
     △4三金 ▲同角成△同玉
▲8一飛成△7一金寄▲8五龍△4五桂
▲5五龍(第7図)

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 ここで第三の悪手,銀をタダで取られる!!! これは完全にうっかりである. なんで角取りに銀打ったんですかね?

第7図からの指し手
    △5四歩 ▲3五桂△5三玉
▲8五龍△8三歩 ▲4三金△6二玉
▲4四金△3七桂成▲同角 △9六角
▲8六龍△7八角成(第8図)

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 そして第四の悪手!(まだあるのか)が△9六角. これ実は▲同龍と取られると相当に危なかったのだが,ばれなかったのでセーフ. 4回も悪手を放ったわけだが,第8図の局面はまだ後手が良い. まだ良いって書くってことは,まぁ悪くなってしまったわけである.

急転直下

第8図からの指し手
▲6五桂(第9図)

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 ▲6五桂と打たれて困ってしまった. △同歩と取っても3七の角の利きがあるので5三に斜めを打たれると相当苦しいと思った. が,そうではなくて△同歩と取っておけば後手の勝ちだったと思う. △同歩以下例えば▲5三銀△6一玉▲4三桂成(C図)とされても後手陣は大丈夫. 先手に持ち駒がないので△8八馬とかを指しておけば良かった.

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第9図以下の指し手
     △7三金▲5三金△7二玉
▲7三桂成△同玉(第10図)

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 桂馬は取れないと思ったので,逃げ道を広げるつもりで△7三金と指したが当然悪手. 筋よく迫られて第10図の局面となったが,後手玉に詰みが発生している. 手順は長いが,▲8三龍△7三香▲5二銀△同玉以下21手詰みである.

第10図以下の指し手
▲6三金△同玉▲8三龍△7三桂
▲5二銀△同玉▲7三龍(第11図)

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 詰みを覚悟したが,第11図の局面となり王手が途切れた. ここで先手玉を詰ますことができれば勝ちなのだが.

第11図以下の指し手
    △6九馬▲4八玉△8八龍
▲5八桂△同馬 ▲同金 △3八金
▲同玉 △5八龍▲4八銀△4九銀
▲2八玉△2四香▲2五歩△同香
▲2六歩△4八龍▲同角 △3八金
▲1八玉(第12図)
まで137手で先手の勝ち

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 △6九馬に▲4八玉と逃げてくれたのはありがたかったが,結局詰ますことはでず,投了となった. 優勢になってからの指し手の雑さが目立つ,課題の多い一局だったと思う.

一回戦を終えて

 普段の対局は将棋ウォーズが中心で,倶楽部24も指すときは早指し2(秒読み30秒・猶予考慮時間1分)しか指していないので,15分60秒で指してみると思ったより疲れてしまった. 優勢になってからの落手が多かったのも,集中力が途切れたのが原因だと考えられる. 二回戦以降,一局を通して集中力を持続できるように,15分60秒の持ち時間での練習をしておきたいと思う.

ちなみに

D図は投了直前の△3八金と打つ前の局面なのだが,実はここで先手玉に詰みが発生している!

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D図以下の指し手
    △2六香 ▲同角 △2七銀
▲同玉 △3八銀打▲1六玉△1五歩
▲同角 △同香  ▲同玉 △1四歩
▲2五玉△1三桂 ▲3四玉△4二桂
▲4五玉(E図)

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E図以下の指し手

    △4四歩▲5六玉△4五角
▲4六玉△3四桂▲3七玉△2五桂
▲4八玉△5八金(F図)

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 ▲同角と取られるのに△2六香と捨てて(まずここが見えない),途中打った桂2枚がどちらも1回ずつ跳ねるという奇跡的な順で詰んでいるらしい. 将棋ってすごいっすね(他人事).